ビニールは石油と塩からつくりますが、ポリエチレンは石油だけからつくるので、同じモノではありません。ビニールは、もやすとつんとするにおいがしますが、ポリエチレンをもやすと、ろうそくのもえるようなにおいがします。わたしたちのからだと同じように「炭素(たんそ)」と「水素(すいそ)」というものからできているのです。ビニールは、水にしずみますが、ポリエチレンは、水にうきます。ビニールもポリエチレンもわたしたちの身のまわりにたくさん使われていますが、ビニールは、ふくろとしては、ほとんどつかわれていません。


日常生活で見かけるプラスチックフィルム製の袋、たとえば食品を包装している袋や、買い物袋などは「ポリ袋」です。

本来、塩化ビニール樹脂製の袋が「ビニ−ル袋」ですが、現在では、包装材として私たちの身の回りで見かけることはほとんどなく、一般的に「ビニール袋」と呼ばれているものの多くは、ポリエチレンやポリプロピレンでできているので、「ポリ袋」と呼ぶのが正しいのです。

日本では塩化ビニール樹脂の方が歴史が古く、そのため、ビニール袋という名称が一般化したようです。




燃やしても有毒なガスなどを発生させない。POFは炭素と水素からできていますから、焼却すると水と炭酸ガスになり、塩化水素ガスなど有害なガスを発生させることはないのです。
ポリ袋は、薄く、軽く、丈夫で、防水性・防湿性が高く、油や薬品にも強く、衛生的かつ毒性を含まず安全、コストが安く経済性に優れ、透明度もあり、着色や印刷も自在といった特徴があります。少ない資源で重いものや水分を含んだものも安全に包むことができるので、食品包装やゴミ袋などには最適な素材だといえます。
ポリオレフィンフィルムはポリ袋以外にも、医薬品や雑貨の包装に用いられたり、食品用ラップフィルムとして身近なところで利用されています。また、普段目に触れないところでは、新聞運送やパレット輸送品用の包装に用いられたり、工業製品や産業資材の包装に多く使われ、物流効率を高めています。また、農業の分野では、地面を覆うマルチフィルムとか、トンネルやハウスに使われ、土木・建築分野でも、コンクリートの養生や雨風よけ、防塵用に多く使われています。
ポリエチレン製のポリ袋
スーパーの買い物袋や小袋、ごみ袋、お米や塩・砂糖などを包装している袋、おしぼりの袋など。
ポリプロピレン製のポリ袋
パンやお菓子、乾燥食品などに使われている袋やクリーニング店の包装など。